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2024年03月07日

ドルテグラビルの薬物分布は、HIV リザーバーを抑制する能力に影響を与える可能性がある
Dolutegravir distribution may affect its ability to suppress HIV reservoir

写真
Weipeng_Lin/Pixabay

 CROI 2024で発表された研究によると、死亡直後のHIV感染者6名から採取した組織を分析したところ、体の部位によってドルテグラビルの濃度が異なることが明らかになった。

 

研究者らは、終末期にさしかかったHIV感染者が死後のサンプル提供に同意した研究の一環として採取された組織サンプルを調べた。

薬物分布解析は、薬物が体内の標的部位にどれだけ到達するかを調べるものである。HIVの場合、薬物が免疫組織やHIVリザーバーに最適な濃度で到達すれば、薬物分布は良好である。

ドナー6名全員がドルテグラビルベースのARTを受けていた。死後6時間以内にそれぞれの各部位から22の組織サンプルを採取し分析した。

中枢神経系(脳と脊髄)は血液脳関門によって体の他の部分と隔てられているため、多くの薬物が届きにくい。

この研究では、脳と脊髄の薬物濃度は他の部位より低かったが、脳の各部位の濃度は均等であった。

免疫系の大部分が存在する腸と脾臓では、薬物濃度が高いことが判明した。

ドルテグラビルはHIVを抑制するのに非常に効果的であるが、その濃度には個人差があり、中枢神経系のリザーバーにあるウイルスに到達し、抑制するのに影響する可能性がある。

これは小規模な研究だが、この分析結果から、組織内薬物濃度は個人によってかなり異なることが示されたようである。

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